『第27回 日本消化器関連学会週間』 宮川医師

学会名 JDDW2019 KOBE 第27回日本消化器関連学会週間
日 時 2019年11月21日~24日
場 所 神戸コンベンションセンター

JDDWは、日本消化器病、日本内視鏡、日本肝臓、日本消化器外科、日本消化器がんの5学会が合同で行う年1回の大きな学会である。

数千人の消化器医が参集する。今回は、日本肝臓学会が主催する「肝炎」に関係する演題を中心に聴講した。その中でも「全症例治癒が近づいたC型肝炎と今後の肝臓領域研究の展望」というセミナーが、興味深く感じられたので、それについて所感を交えて報告する。

当院でも、C型肝炎に対する抗ウイルス治療は、行っているが少数である。薬剤の制限もあるので多種類の薬剤を投与し、効果・副作用・患者の反応など比較して、自分の治療指針を確立するまでには到底至らない。そこで日本での治療実態を知る目的もあった。

会場では、全国で11000症例余のC型肝炎治療成績の報告があった。最新のDAA(直接作用型抗ウイルス剤)内服薬で、グレカプレビル(G);ピブレンスタビル(P)配合剤であるマヴィレット(Maviret)の実症例が多かった。

この薬剤の効果としてSVR(ウイルス学的著効達成)は99%である。他の薬剤でも、同様のSVRを得ているが、8週間投与可能ですべてのHCV(C型肝炎ウイルス)の遺伝子型(1-6型)に活性を持ち、耐性に高いバリアを持っていること。非対称性肝硬変患者、腎障害患者にも94-100%のSVRを得られることなどが評価された。

また臨床試験ならではだが、高度薬剤耐性アミノ酸変異(P32欠損など)がある場合のSVR報告も詳細に報告された。さらにSVR後の24ヶ月にわたりHCV再発の有無検討までしており、その徹底ぶりには感心させられた。まだ開発中の薬剤もあるようだが,DAAとしてのファーストラインは終了した感は、会場内の誰もが認めている様に思えた。

雑感:残念ながら年々、参加者が減少している気がして、以前のような爆発的な熱気が感じられませんでした。

横浜鶴ヶ峰病院 消化器内科  宮川 薫

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