大腸がんの新しい治療法 ~腹腔鏡下手術~

腹腔鏡下手術とは「腹腔鏡」というテレビカメラでお腹の中を見ながら行う手術です。
従来の「お腹を切る手術」は開腹術と呼びますが、腹腔鏡下手術は開腹術と比べて非常に小さな傷で済むために、患者さんの術後の痛みが少なく、回復が早い為、入院期間の短縮、早期の社会復帰が可能になる事が一番の特徴です。また、傷が小さいことは、癒着や腸閉塞などの合併症が起きにくくなるとも言われています。

腫瘍が大きい場合、周囲臓器と癒着している場合などは、開腹術をお勧めすることがあります。

大腸がん診療ガイドラインにおいて、当初は早期大腸がんに対する外科的治療の一つとして認められていましたが、最近、がんの部位や進行度など、患者さんの状態を基に、外科医の経験、技量を考慮して適応を決めるべきであると改訂されました。すなわち手術を執刀する術者の技量に応じて進行大腸がんにも適応拡大が可能であるという理解です。
技量を図る一つの基準に、日本内視鏡外科学会技術認定医があります。この度、認定医を審査、指導する田中淳一先生が着任し、当院においても、より緻密で安全な腹腔鏡下手術を行う環境が整いました。

進行大腸がんに対する腹腔鏡下手術は保険適応も認められております。当院では、早期胃癌、胆嚢結石症などにも、この新しい治療法である腹腔鏡下手術を積極的に行っておりますので、気兼ねなく、ご相談ください。

 

横浜鶴ヶ峰病院 低侵襲内視鏡外科治療センター  水上博喜
同センター長   田中淳一

新着情報一覧へ戻る