Q.『加齢による物忘れと、認知症の違いは?』

A.加齢による物忘れは誰にでも起こります。
認知症による物忘れとは大きく違います。
その違いは、例えば「うっかり待ち合わせの時間を忘れてしまった。」「財布をどこにしまったか忘れてしまった。」などは、認知症の症状ではありません。
加齢による物忘れでは、「待ち合わせたこと」や、「財布をしまったこと」自体は覚えていて、自分が忘れた事の自覚はあります。
ですので日常生活に大きな支障は無く、認知症のような病状の進行や、記憶以外の障害がみられることもありません。

一方認知症の症状による物忘れとは、「待ち合わせたこと自体を覚えていない。」「財布をしまったことを忘れている。」といった、そのこと自体を覚えていられないこと。
これは記憶の初期段階であり、記銘ができなくなっている事によって生じます。
例えばアルツハイマー型認知症では、少し前の経験そのものを忘れてしまうために、何度も同じことを尋ねるなど日常生活に支障をきたします。
このような症状が増えてきた場合には、ぜひ一度、物忘れ外来にご相談ください。

横浜鶴ヶ峰病院 脳神経内科 島田 佳明

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