『第67回日本人間ドック・予防医療学会学術大会』氏岡医師

学会名 第67回日本人間ドック・予防医療学会学術大会
日 時 2026年9月4日~5日
場 所 熊本城ホール

この度、熊本で開催された第67回日本人間ドック・予防医療学会学術大会に参加して参りました。


シンポジウム、セミナー、口頭&ポスター発表、研修会を通して各専門分野の最新の知見について、幅広く学ぶことができました。
特に興味深く印象に残った「肝疾患関連」「医療AIと画像診断」「簡易視野検査による眼疾患の早期発見」について、ご報告いたします。

2023年の日本肝臓学会において発出された「奈良宣言2023」に基づき、ALT>30U/Lの症例で特にMASLDが疑われる場合には、FIB-4indexを用いて肝線維化リスクを層別化し、高リスク例は消化器内科・肝臓専門医へ紹介して精査と専門的管理につなげる大切さが強調されました。これは、慢性肝臓疾患(CLD)の早期発見と早期治療により、肝線維化の進展を抑え、肝硬変や肝癌を予防することが最大の目的です。65歳以上でALT>30U/Lを呈する群における線維化の割合が52%であることが解析で示されました。
当院健診受診者の肝機能障害症例への二次検査対応では、腹部エコー検査で脂肪肝を把握し、高度脂肪肝の場合は消化器内科に紹介をしていますが、今後はさらに、FIB-4indexを算出し、リスクを層別化することで、より迅速に専門外来受診へつなげるシステムを構築する必要性を感じました。

医療AIと画像診断では、肺がん画像診断と消化器内視鏡診断について聴講しました。
対策型検診としての低線量CT肺がん検診は、偽陽性や過剰診断といった課題がありますが、AIによる結節検出は観察者間のばらつきを軽減することが期待されています。上部消化管領域では、食道がんや胃がんの検出を支援するAIの実装が進んでおり、下部消化管領域では腺腫などの見逃しリスクを低減する可能性が期待されています。しかし肺がん・消化管いずれにおいてもAIによる過剰検出が課題となっており、AIはあくまで医師の診断を補助するツールであることを認識し、適切に運用することが重要です。

慈恵医大眼科講師による眼疾患早期発見のための簡易視野検査imoスキャンの有用性についてのセミナーを聴講しました。両眼開放下・明室・両眼1分40秒で測定できる利点に加え、ハンフリー視野検査と同等の視野異常検出能を有し、緑内障、網膜疾患、頭蓋内疾患の早期発見に有用であることの研究結果が示されました。健診における眼科領域に関心の高い私にとって最新の知見を提示していただき学びの多いセミナーでした。 当院の健診・人間ドックにおいても簡易視野検査やOCT検査の導入について今後検討を進めていきたいと思っています。

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック 内科医師 氏岡晶子

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