『日本麻酔科学会 第73回各術集会』大貫医師

学会名 日本麻酔科学会 第73回学術集会
日 時 5月21日~23日
場 所 パシフィコ横浜
今回、横浜で開催された日本麻酔科学会第73回学術集会に参加して参りましたので、ご報告いたします。
本学術集会では基礎研究から臨床応用教育、さらには将来展望に至るまで、麻酔科学に関する幅広いテーマが取り上げられていました。
最近の研究成果や臨床現場での取り組みについて学ぶことができ、大変有意義な機会となりました。
中でも、最近私自身が周術期アナフィラキシー症例を2例経験したことから、「周術期アナフィラキシーこれまでの研究から見えてきた成果と課題」と題した講演を聴講しました。
本講演では周術期アナフィラキシーに関する最新の知見について学びました。
周術期アナフィラキシーは日本では約5000例に1例の頻度で発症するとされ、死亡例では原因薬剤投与から約9分で心停止に至っており、早期診断と迅速な対応の重要性が強調されてきました。
原因薬剤としては筋弛緩薬や抗菌薬が多く、日本ではマガマデックス、ロクロニウム、セファゾリンの順に頻度が高いことが報告されていました。
特に、マガマデックスは投薬後数分に内に発症し、患者は抜管されていることが多いため、投薬後の患者観察の重要性を改めて認識しました。
また、アナフィラキシー症例の約20%では皮疹を認めないため、昇圧薬に反応しない低血圧を認めた場合には、アナフィラキシーを疑う必要があることも学びました。
私自身、最近経験したアナフィラキシー症例を振り返りながら聴講しましたが、実際に経験した2症例が、日本で最も頻度の高い原因薬剤とされるマガマデックスによるアナフィラキシーが疑われる症例であったことから、講演内容をより身近な問題として捉えることができました。
今回学んだ内容を麻酔管理に活かし、急激な循環動態変化を認めた際にはアナフィラキシーを常に鑑別の一つとして念頭に置きながら迅速かつ適切な対応を行い、患者安全の確保に努めていきたいと考えています。
横浜鶴ヶ峰病院 麻酔科 大貫京子
