『第121回 日本精神神経学会学術総会』倉増医師
学会名 第121回 日本精神神経学会学術総会
日 時 2025年6月19日~21日
場 所 神戸国際展示場

この度、神戸で開催された第121回日本精神神経学会学術総会に参加し、職域のメンタルヘルス対策について学んで参りましたので、ご報告させて頂きます。
昨今、メンタルヘルス不調による社会的コストは甚大で、その多くが労働者の生産性の低下に起因していると言われています。
その取り組みとして、2015年12月からは、常時50人以上の従業員が在籍する事業所に対して、年1回のストレスチェックが義務付けられており、当院でも企業のストレスチェック業務、医師面接等の業務を担っております。
直近では2025年5月に50人未満の事業場を対象とする厚生労働安全衛生法が可決・成立し、今後更なるニーズがあるものと考えられます。
当院では銀座という特性上、オフィスワーカーの受診率が高く、職場での業務負担や人間関係などのストレスにてメンタルヘルス不調を抱え受診されるケースが多く存在します。
予防としてできること、そして治療が必要となった段階において非薬物治療としてできることという視点から、特に若い世代を中心としたチャットGPTの活用によるカウンセリング効果についての講演がありましたが、経済的にも時間的にも余裕がない人々の活用ツールの一つとして、時代のニーズにあわせたとても興味深いものと感じました。
6月にも関わらず猛暑の中の参加となりましたが、とても有意義な時間となりました。
精神科医療は、臨床だけで無く職業生活に密着に関連しており、今回の学びを日々の診療に活かしていきたいと感じた次第です。
ヴェスタクリニック銀座 精神科医 倉増瑛理子