『第50回 日本股関節学会学術集会』石井医師
学会名 第50回日本股関節学会学術集会
日 時 2023年10月27日~28日
場 所 ヒルトン福岡シーホーク
第50回日本股関節学会学術集会に参加させて頂きました。当院では患者様への負担を可能な限り低下させた低侵襲手術:MIS 人工股関節手術を行っておりますが、当院の手術方法について発表させて頂きました
演題名は
1:骨折用牽引台を用いた前方アプローチによる人工股関節全置換術”SAAF”は周術期合併症の発生を減少させる
2:ボーンワックスは人工股関節置換術の止血に有用である
の2演題でした
牽引台を用いたMinimally Invasive Surgery(MIS)前方アプローチ人工股関節全置換術は、傷が小さく筋肉を切らないため早期回復が可能となります
しかしながら、手術手技の習得が困難なことが知られており、慣れない術者は合併症を引き起こしてしまうということが問題となります
当院ではMIS前方アプローチ人工股関節手術において術後脱臼、術中骨折といった主要な合併症は一例も生じておらず、MIS手術普及を目的とした整形外科医師、手術室看護師向けの手術見学受入れ施設となっております
1演題目はこの安全なMIS手術を実現するためのテクニックについて発表させて頂きました
また、人工股関節手術は骨を切るために術中の出血は避けることができない合併症です。出血によって術後感染症のリスクが上昇することが知られており、術後の運動機能回復も遅くなります。
当院では筋肉を切らないMIS手術と出血を抑えるための手技(術中のボーンワックスの活用)を組み合わせて、術中の出血量を従来の1/2~1/3程度まで減少させることが可能になったことを2演題目で報告させて頂きました
術後早期から歩行訓練が可能になることで早期の自宅退院、社会復帰が可能になる方が増えております
どちらの発表も多くの股関節を専門とする先生方からのご質問を頂き、充実した学術集会となりました
今後も世界最先端の医療技術を追求し、より多くの患者様に安全で確実な手術を提供できるよう努力して参ります
横浜鶴ヶ峰病院 整形外科部長・人工関節センターセンター長 石井聖也