『International Society for Technology in Arthroplasty』石井医師
学会名 International Society for Technology in Arthroplasty
日 時 2022年8月1日~3日
場 所 アメリカ合衆国 マウイ島
この度International Society for Technology in Arthroplasty(ISTA)に参加させて頂きましたので報告させて頂きます。
ISTAは人工関節に関する学会としては世界有数の権威ある国際会議であり、毎年異なる国で開催されております。今年度は第33回の開催で、2022/8/1〜8/3 の期間にアメリカのマウイ島にて開催され、私も現地で参加させて頂きました。
今回は「Postoperative callus around tapered-wedge short stem: Undiagnosed fracture after total hip arthroplasty」の演題名で、人工股関節全置換術(THA)後早期骨折の原因に関して一つの新たな仮説とその発生因子に関して発表させて頂きました。
今回報告した骨折のメカニズムは過去に報告が無く、多くの海外の先生からご質問を頂き活発な議論をすることができました。世界的に普及した人工股関節全置換術ですが、稀に生じる術後早期の骨折に関してはまだ明らかでない部分が多く、予防が難しいのが現状です。今後も人工関節インプラントの研究を継続することで一人でも多くの患者さんの症状改善に役立つことができればと思います。
学会全体としてはコバルトクロムの弊害と、代替となるセラミックやDual mobilityシステムの可能性、またVR(Virtual Reality:仮想現実)システムやナビゲーションシステムなどの手術支援医療機器に関する演題が、日本と同様に増えてきている印象でした。
一般的になりつつある新しい技術によって、より安全、安心な手術に繋がる画期的なイノベーションが期待されます。 最後に、日常業務でご多忙の中、海外学会に参加させていただきました病院の先生に、この場をお借りして深謝申し上げます。
横浜鶴ヶ峰病院 整形外科部長 石井聖也