腰椎椎間板ヘルニアの新しい治療法 ―椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア)―

腰椎椎間板ヘルニアは、ほとんどの患者様は手術なしで改善することが多い病気です。

そのため、初期は、足の麻痺や排尿の障害などがなければ、ブロックや内服、理学療法などで痛みを和らげ、自然に良くなるのを待つのが最も合理的です。

しかし、なかには自然に良くならないものがあります。今までは、レーザーや手術によるヘルニア摘出などの治療が行われてきましたが、2018年4月から、椎間板を構成する「髄核」を融かすことで、脱出したヘルニアの圧を下げ痛みを和らげるヘルニコア(コンドリアーゼ)が開発され、医療現場での使用が許可されました。使用できるのは、内服、ブロックなど保存療法で十分な改善が得られない、後縦靭帯下脱出型のヘルニアで、レーザーと異なり保険で治療ができ、またヘルニア摘出術より手術費用も少なくて済みます。即効性は少ないですが、身体への負担が少ないのが特徴です。保存療法と手術治療の中間的存在と考えることができます。

新規治療なので、脊椎外科の専門医がいる施設で行うことが義務付けられています。

過去にヘルニコアによる治療を受けた方は、再度ヘルニコアの治療を受けることはできません。また、以下のような患者様は、ヘルニコア治療を受けることができない可能性があります。

・アレルギー体質の患者様
・腰椎すべり症、脊柱管狭窄症などヘルニア以外の脊椎疾患のある患者様
・骨粗鬆症、関節リウマチの患者様

ヘルニコア治療の説明、注意点など詳しい説明を希望される患者様は、横浜鶴ヶ峰病院・脊椎外科 富永の診察をお受け下さい。

横浜鶴ヶ峰病院 整形外科・脊椎外科部長 富永 泰弘

新着情報一覧へ戻る