新型コロナウイルス変異株(デルタ株)の出現とコロナウイルスワクチン

世界的に猛威を振るっておりますデルタ株の出現により、日本では第5波の真っ只中にあり、新型コロナウイルス感染症の混乱から未だ出口が見いだせない状況が続いております。

デルタ株の詳細が分かり報じられつつありますが、何より驚かされたことはデルタ株の“感染力”です。
1人の患者が従来のウイルスでは平均1.5人から3.5人程度に感染させる可能性だったのに対し、デルタ株の感染力は1人の患者が平均5人から9.5人程度に感染させる可能性があると推定されております。これは“水ぼうそう(水痘)”の感染力と同等と言われております。

言い換えれば、ほぼ全国民が必ずいつか感染するウイルスということになります。さらに、デルタ株に感染すると、重症化したり死亡したりするリスクが高くなるとする各国の研究結果や、ワクチン接種を終えた人でも接種をしていない人と同じように感染を広げる可能性を示す研究結果が示されています。

新型コロナウイルス感染拡大の切り札として期待されているファイザーやモデルナなどの「新型コロナウイルスワクチン」です。水ぼうそう(水痘)と同様に、感染し重症化するリスクを回避するためには、ワクチン接種が必要ということになります。水ぼうそう(水痘)ワクチンは定期接種であり、コロナウイルスワクチンは任意接種です。最終的にコロナウイルスワクチンを接種するどうかは各自の判断になりますが、接種を悩まれている方におかれましてはできるだけ接種をお勧めしております。

横浜市は64歳以下を対象とした個別接種も8月6日以降予約を受け付ける発表がありました。当院でもワクチンのご予約をいただいた方への接種も想定以上に早まり、64歳以下のご予約も接種日までほぼお待たせすることなくご案内することができております。是非ご検討くださいますよう、お願いいたします。

一日でも早くこの感染拡大の終焉を迎えられるよう切に願うばかりです。

横浜鶴ヶ峰病院 副院長 診療部長 川又朋章

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