『禁煙は最高の治療薬です』
新型コロナウイルス感染拡大の第3波にあり、首都圏を中心に緊急事態宣言が発出されました。タバコが重症化リスクの一因になっていますが、以前からタバコが体に悪いことは皆さん重々承知のことと存じます。
具体的にいくつか例をあげましょう。
- タバコは吸っているだけで寿命を10年短くします。
- タバコにより狭心症や心筋梗塞による死亡が1.7~3倍に、突然死が1.4~10倍に、脳梗塞や脳卒中、くも膜下出血による死亡が1.7~3倍になります。
では視点を変えて、『禁煙』による良い例をいくつかあげてみましょう。
- 禁煙2~4年程度で心筋梗塞や脳梗塞を30%近くも減少させる。
- 心房細動発症や心不全の再入院を減少させる。
- 禁煙5年以降は肺がんリスクも低下します。
早期にみられる健康改善として、禁煙後早ければ1ケ月たつと咳など呼吸器症状が改善します。また免疫機能が回復して、かぜやインフルエンザなどの感染症にかかりにくくなります。
『禁煙』には副作用がなく、それに関わる医療費も少ないです。さらには年間10万円以上のタバコ代を節約できるすばらしい『治療』なのです。『禁煙』には「絶対やめてやる」という本人の気持ちが大切です。最近では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、禁煙に成功した患者さまもおられます。
当院には『禁煙外来』を設置しております。是非相談してみてはいかがでしょうか。
横浜鶴ヶ峰病院 副院長 診療部長 川又朋章