『第28回 日本消化器関連学会~JDDW2020~』宮川医師

11月5日より、神戸コンベンションセンターで開催された、消化器関連学会(以降JDDW)に直接参加してきました。会員医師数が数万人、毎年参加者1万人規模の大きな学会ですが、今年はコロナ禍のため参加者は2500人に限定され、ハイブリッド形式で開催されました。

すなわち、会場参加者とWEB参加者が同時中継で進行させるやり方です。

現場での熱意ある討論になれていた私には、異様な静寂感と寂寥感がありました。会場内も、ソーシャルディスタンスをとるため、定数の1/4ほどしか入れず静かで、質問も出ず、WEBからの質問はさらに出ず、淡々と発表は進みました。

私は、まず自分の専門である肝臓疾患の発表で、「非代償性肝硬変に対するC型肝炎治療を話題にしたセミナー」を聴講しました。やはり肝硬変が進展していると成績は良いとはいえず、前段階である肝炎の治療が重要と思いました。また、根拠が遺伝子研究や肝組織であるため、一般病院ではアプローチすることは困難であると痛感しました。

次に特別企画「コロナ感染と消化器診療」を聴講しました。この会場だけは満員の盛況でタイムリーな企画でした。国立感染研究所長の脇田先生との生中継などもありました。興味を引いた内容は、COVID-19ワクチンは、鼻腔内投与ワクチンが主流になる。日本人に重症例が少ない原因を追究するための590人余の遺伝子解析がもうすぐ出る。肺胞上皮だけでなく腸管上皮にもCOVID-19が大量に存在するので、経口糞便感染など消化器対応が必要であるなどでした。

JDDWは、私にとって、とても有意義なもので、来年の神戸も必ず参加したいと思っています。

所感:
QRコード提示がなければ各会場の入退場ができないので、不便。
正面スクリーンに発表とは関係ないWEB用の画像が出るが、必要か。
理事先生講演でも言われていたが、来年もこの状態なのか、沈滞ムードが否めない。現在運営については試行錯誤なのでしょうね。

横浜鶴ヶ峰病院 消化器内科  宮川 薫

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