『コロナ禍における心筋梗塞とがん患者数の減少について』

11月のドクターズファイルでは、喘息患者数の減少について書かせていただきました。今回はその他の疾患について、日本のみならずアメリカの現状について書きたいと思います。

 アメリカでは昨年同期と比較し、脳梗塞や心筋梗塞、心不全など入院患者数は全て減少していました。心筋梗塞や狭心症のカテーテル検査数や治療数も減っています。潜在的な心筋梗塞や狭心症の患者数が自然に減ることはありませんから、症状がありながらも受診控えしているのか、もしくは治療する病院側がコロナ対応に追われ、コロナ以外の疾患治療の受入れができていない可能性が考えられます。

これは日本でも同様であり、がん患者数までも減っています。がん検診自体がストップしていたこともあるかもしれません。検診で見つかるはずの早期がんの発見が遅れたり、コロナ以外の患者対応ができずに、がん患者数や手術件数の減少につながっているとしたら、発見時は進行がんの段階という状況も考えられ、非常に心配される事態であります。

当院では現在、検診のみならず一般外来も、感染対策に基づきながらほぼ通常通りに行えている状況です。今後もスタッフ一同感染対策を講じながら、皆様の健康管理に寄り添っていきたいと考えております。

    横浜鶴ヶ峰病院 副院長 診療部長 川又朋章

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