『コロナ禍における気管支喘息への影響』

ウイルス感染症は、喘息症状を悪化させることがありますが、今回の新型コロナウイルス感染症流行に伴い、あるデーターが公表されました。当初、コロナウイルス感染症により重症の喘息患者さんの増加や入院増加が心配されていました。しかし、喘息による患者数や入院数は逆に減少していることが分かりました。

 2017年から2019年は、3月上旬から初夏にかけて喘息入院患者が増加する傾向が見られていたのに対し、今年は明らかに減少傾向が確認され、おおよそ例年の半分程度に減少していたのです。ウイルス感染自体は喘息に対して良くないものの、社会全体で見るとマスク着用や手洗いなどの感染予防行動により、喘息発作を減少させているものと考えられています。

 これから季節性インフルエンザの流行時期になりますが、これまでの感染予防行動を継続し、喘息発作数の減少と同じようにインフルエンザ流行が抑えられることを期待しております。

        横浜鶴ヶ峰病院 副院長 診療部長 川又朋章

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