『第84回日本循環器学会学術集会』川又医師

新型コロナウイルス禍で落ち着かない状況ですが、第84回日本循環器学会学術集会に参加してまいりました。とはいえ、本来3月に京都で開催予定であったのですが、コロナ感染拡大の影響もあり延期になり、初のインターネットによるWEB開催になりました。循環器学会のみならず各学会が工夫しWEB開催を行っております。やむを得ず本年度は中止となったものもありますが、医学学術発展のため創意工夫していただいた学会本部の先生方、スタッフの方々に感謝致します。

 今回WEB開催に参加した感想ですが、率直に申し上げまして想像以上に充実したものでした。テレワーク、働き方改革と言われて久しい昨今ですが、なかなかテレワークとなれないのが我々医療現場です。これまでの学会では、病院を皆一同に留守にするわけにもいかず、また遠方までの移動、宿泊手配、更にはおおむね週末を利用し開催されますので、休息の間もない連続勤務状態と変わりない状況でした。

 それに対し、WEB開催はLIVE配信に加え、オンデマンド配信など期間内であれば24時間視聴可能なものが多数あり、通常業務をこなしながらの参加が可能となり、非常に助かりました。またこれまでは、聴講したいセッションが重なってしまうと、どちらかを優先しなければならなかったのですが、オンデマンド24時間配信により、どちらも聴講することが可能になりました。極論ですと全て聴講することも可能になるのです。学会会場に赴き時間に追われながら参加するのが当たり前でしたので、今回のようなWEB開催には戸惑うこともありましたが、非常に実り多いものになりました。

 最後になりますが、これまでの学会というと、その土地に触れ、土地のものを食し、座学でお尻も痛くなり、束の間の観光気分を味わって帰路に着くものでした。そんな学会開催がなくなるのは寂しいものがあります。これからは学会開催のあり方も変わるものと思われますが、学会会員は皆、各医療現場で戦う同士です。そんな同士と『集い会って』語らうこれまでのような学術『集会』が、早く開催できる世の中になることを切に願うばかりです。

    横浜鶴ヶ峰病院 副院長 診療部長 川又朋章

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