『コロナウィルス』ってなんですか? 川又医師

今世間を騒がす『新型』コロナウィルスですが、新型っていう以上は旧型(?)が存在するわけです。

 これまでの一般的なコロナウィルスはいわゆるヒトに蔓延する『風邪のウィルス』の一種です。冬に流行し大概は6歳までに感染を経験し、世界的に毎年多くの感染者を発症しますが、ほとんど軽症で済みますので、『風邪』として終わってしまいます。しかし『風邪』といえど、高齢者や免疫が弱っている方の場合、風邪から肺炎など不調を来たし、稀に不幸な転帰を辿るわけです。

 毎年世界中に出現してもさほど見向きもされないコロナウィルスですが、2002年、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウィルスとして猛威をふるい(致死率9~16%)、また2012年には、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウィルスとして重症肺炎を引き起こしました(致死率30~40%)。ともに当時は『新型』として騒がれたコロナウィルスです。いずれも日本には大きな影響なく済んだわけですが、高齢者、基礎疾患患者などを中心に重症化しました。

 そして今回の『新型』コロナウィルス(COVID-19)です。まだ未知な部分が大きいですが、上記SARS(致死率9~16%), MERS(致死率30~40%) に比較して、『新型』コロナウィルス(COVID-19)の致死率は2月末時点で2.3%程度。しかし、中国湖北省以外での致死率は0.4%程ですが、年齢や基礎疾患の有無で致死率は異なります。

仮に季節性インフルエンザの致死率が0.1%程度と比較して、新型コロナ ウィルス の致死率は4~5倍程度になります。

 新型コロナ ウィルス の感染予防には風邪やインフルエンザ同様に、人混みを避け、手洗いやうがいの徹底になります。感染しても80%以上の方は感冒症状のまま自然軽快してしまいますので、基本的には自宅安静療養を心がけてください。感染拡大予防のためにも医療機関に直接駆け込まないように注意してください。もし心配な方は各自治体に設置してあります「帰国者・接触者相談センター」にまず連絡するようにお願いいたします。

               横浜鶴ヶ峰病院 副院長 診療部長 川又朋章

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