インフルエンザと心筋梗塞

インフルエンザA型に罹患した1週間は、その他の期間の5倍の確率で、心筋梗塞が起きる。インフルエンザB型では、普段の10倍である。
感染症と心筋梗塞の関係は、非常に親密で肺炎球菌が原因で入院した肺炎患者は、入院中に7-8%の患者が心筋梗塞を起こす。
(NEJM 2019;380:171-176)

その機序は、第一に感染症がサイトカインストームを引き起こし、患者の血管内のプラークの炎症性細胞を活性化させ、凝固機能亢進させてしまい、プラークの破綻を引き起こす。
第二に感染症がサイトカインストームを引き起こし、心筋細胞の酸素需要を増加させる。一方で、心拍出量を低下させ、心筋細胞に酸素のmismatchを引き起こす。

肺炎は、高齢者に多く本邦では死亡原因第2位の病気であり、非常に重要な話である。また、肺炎球菌の肺炎では、ステロイドを受けていた患者では、心筋梗塞が少ないと報告されている。また、アスピリンおよびスタチン(脂質異常症の薬)など服用している患者は、継続投与が望ましいとしている。それどころか、禁止条項が無ければ、投与しても良いかもしれないと記載されている。病気の病態生理の一掃の理解が、患者の命を救うかもしれない。

横浜鶴ヶ峰病院 院長 石山泰二郎

新着情報一覧へ戻る