狩猟採集時代を振り返る

250万年前にホモ族が誕生する。20万年前にホモ・サピエンスが誕生し、7万年前にアフリカから離れて、地球上全域に広がっている。
現在の地球上の人類は、1人のイブから生まれたとされている(アフリカンイブ)。そして地球上のあらゆる環境に適応して生きている。今も、狩猟採集をしている人もいる。
私たちは、長い狩猟採集時代を過ごしているため、高カロリー食(脂肪食)を食べたい体になっている。日本人は、戦後70年間、急速に動物性脂肪を大量にとり、一方では、食物繊維を激減させた。その為、肥満症・糖尿病・動脈硬化・大腸がんを急増させてしまった。
狩猟採取時代は、現代の14倍動いていたとされる。労働時間は、少なく、農耕時代と違って、かなりの余暇の時間があり、狩猟の練習となるgame(狩の獲物の意味)をしていた。その為、現代人は、game(サッカー・相撲など)も大好きなはずなのである。ちなみにgame(運動)は、大腸がんを減らす効果がある。

今の日本人に、余暇があるのか。多くの労働者は、子育てで精一杯である。さらにスマホ・PCを夜中まで使い、一番大切な良い睡眠が得られるのだろうか。
すでに日本人は、世界で一番睡眠が短い民族であり、自殺者の多い国である。診療最前線にいる一人として、今後この国でアルツハイマー型認知症が、急増していくと感じている。
狩猟採集民には、不眠・自殺者・アルツハイマー型認知症はいない。コード・ブルーの山下君ではないが、悩んだら、振り返ればよい。

横浜鶴ヶ峰病院 院長  石山泰二郎

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