アルツハイマー病 血液で判定

アルツハイマー病 血液で判定
High performance plasma amyloid-β biomarkers for Alzheimer’s disease

国立長寿医療研究センターと島津製作所は、微量の血液(僅か0.5CC)からアルツハイマー病の発症に影響するとされるたんぱく質などを計測し、アルツハイマーにつながる病変の有無を早期に高精度で判定できる技術を開発した。アルツハイマーの原因物質とされるアミロイドが脳にたまり始めると血液中に流れ出なくなり、血中に流れるその他2種類のアミロイドとの量に差が出ることに着目。この比率を計測し、脳内蓄積の有無を判定する検出法を編み出した。結果を検査で確認すると、アミロイドの蓄積がある人を9割以上の精度でとらえられていた。
Nature
volume 554,pages 249-254 (08 February 2018)

ドクターコメント
アルツハイマー病は、発症する15-20年前より脳内のアミロイドβという蛋白が蓄積することが発症の原因の一つと言われております。発症前に早期診断ができるバイオマーカーは、病気の発症予防や治療薬に非常に大きく貢献するものとなりますが、残念ながら現在まで、アルツハイマー病において髄液検査や画像検査以外の確立したバイオマーカーとなる検査はありません。今回の論文内の血液検査が今後確立されたものとなれば、早期バイオマーカーとして非常に期待されます。

横浜鶴ヶ峰病院 脳神経内科 島田佳明

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